認定微生物検査技師の徒然日々

どこかの認定微生物検査技師+ICMT 。ICTとかAST とか日々のゆるっとしたことをつらつらと。

3年ぶりの更新&自分なりの認定試験ヤマはり

すっかり放置していました

気づけばもう3年がたち、自分も一回目の更新時期が来ました(笑)

この3年間で、シンポジストや原稿依頼などなど色々なお仕事を頂きました。

 

ありがたい限りです。皆様のスキルアップに携わることができればと思います。

 

さて、二級もそうですが認定も実技は実際に操作するわけではなく机上でやるようですね。

SNSを拝見すると、そのように投稿されてる方がいました)

 

本来であれば

 

グラム染色

培地判定

試験管培地判定、菌種同定、血清凝集

薬剤感受性判定

 

が実技なんですがこれが机上になるということは、

グラム染色→患者情報と共にグラム染色画像を見て菌種をフルスペルでこたえる

培地判定→患者情報と培地の写真がありフルスペルでこたえる

試験管培地→試験管培地の写真、それぞれの判定結果(A/AG等)、血清凝集の写真(S. sonnei等)がありこたえる

薬剤感受性判定→定規持参のようです。阻止円径測定し、推定される耐性機序をこたえる

 

という感じになるかと思います。

ちなみに、今年二級受けた子から

薬剤感受性判定→BLNARの耐性機序を記載

試験管培地→S. sonneiが出題

 

と聞きました

BLNARは中々難しいですね。

B L   βラクタマーゼ

N         陰性 非産生

A  アンピシリン

R  耐性

 

なので、酵素による耐性ではありません

薬剤耐性菌には

酵素

②結合部位の変化

③排出タンパク亢進

等様々な機序がありますが、その内容を知っておくことは重要です。

①の場合は、プラスミド性であれば伝播します。酵素量によっては今はSとされている薬剤が後々Rになる可能性もあるからです。これは試験に出しやすいです。どの阻害剤が検出に有用か?

耐性機序をこたえさせた上で、R判定とすべき抗菌薬を答えさせる問題は出しやすいですね。

 

②に関しては、伝播はしにくいでしょうが、酵素阻害剤を用いても感受性は復活しません。部位自体がもうダメなので同系統の薬剤は全てRになります

 

③はめちゃくちゃ複雑です

ompKやmex エフラックスポンプなど、語ればきりがありません。

 

ですが、薬剤耐性菌の機序、それによって生じうる

感染症診療、院内感染対策へのインパクトを知っておくのが認定に必要な知識なのかなぁとボンヤリ考えたりしています。